【深圳舉協】Shenzhen Weightliftingが、「スプリットジャークかスクワットジャークのどちらを選ぶべきか」を解説しています。
スプリットジャークのアドバンテージ
力の効率
スクワットジャークの例としてYuan Chengfeiの試技を見てみます。3回目の試技で重量は192kg。
スクワットジャークでは、フロントスクワットで1回目の負荷がかかります。
スクワットジャークなので、クリーン後にもう1回スクワットをする必要があります。
つまり、ギリギリの重量に挑戦するということは、その重量を1回の試技で2回スクワットできる強さが求められます。
この時の試技ではスクワット途中で失敗してしまいます。
Tian taoの試技も見てみましょう(まだスクワットジャークをしていた頃ですね)。フロントスクワットがかなりきつそうです。
クリーンが終わり、差し挙げ体制に入ります。スクワットジャークなので同じくもう一度スクワットする必要があります。
一瞬、差し挙がりましたが、
腰の位置が後ろ過ぎて、ドロップしてしまいました。
それと異なりスプリットジャークでは、スクワットは1回です。クリーンで少し手こずったとしても、
スクワットジャークに比べて、挙上時のキャッチに必要な強さはスプリットジャークの方が小さいです。
スクワットジャークをする女子選手を滅多に見かけませんが、これは男子との強さの違いがあるから、だそうです。
ミスをリカバリしやすい
クリーンが終わり、挙上する体制です。
差し挙げましたが、高さが不十分で腕にロックがかからず、重心が前に寄ってしまいました。
ですが、前に歩を進めることで重心を保ち、試技に成功しました。
これと同じような状況が、スクワットジャーク時に発生するとリカバリーはとても難しいです。先程のTian Taoの試技でも同じようにバランスが崩れ、腰の重心が後ろに寄ってしまいました。しかし、しゃがんでいるので歩を進めてリカバリすることはできません。
挙上したシャフトが後ろに行き過ぎた場合も同様です。
シャフトをドロップするしか道は残っていません。(尊敬するLu Xiaojunの試技を失敗例に挙げるのは抵抗あります苦笑)
スプリットジャークでは、横のバランスリカバリもできます。
スクワットジャークのアドバンテージ
挙上の高さに対する適応力
Li Fabinの175kgの試技を例に挙げます。クリーンは成功しましたが、差し挙げの高さが不十分で、
肩と肘が入り切らず、失敗してしまいました。
しかし、スクワットジャークでは挙上時のシャフトの高さに柔軟に対応することができます。Shi Zhiyongの試技を見てみます。これは1回目の試技。
パワークリーンで楽々キャッチ。
重量が軽く、スクワットすることなくパワージャークで成功しました。
ですが、3回目の試技ではかなり重い重量。
そのため、1回目の試技ほど高く挙上できませんでしたが、スクワットすることで低い位置でシャフトをキャッチできています。これがスクワットのアドバンテージ。
調整が容易
体を真っ直ぐUPさせ、真っ直ぐスクワットするだけ。垂直体制を維持できる、背中の強さと肩の安定性があれば、ですが。(個人的には足首と肩の柔軟性も必要かと)
一方でスプリットジャークには安定するポジションを作る難しさがあります。
そのため、足のポジションを綿密に調整する選手もいます。
スクワットジャークを選ぶのもアリな人
もしスクワットがとても強いなら、スクワットジャークは良い選択肢の1つ。
例えば、Tian Taoのように。(が2020年現在、彼はスクワットジャークを止めてパワージャークに変更しています。)
スプリットジャークを選ぶのもアリな人
機能的な動きが得意な人は、スプリットジャークは良い選択肢の1つ
スクワットジャークをオススメしない人
Yang Zheのように身長の高い人。(恐らく挙上時のバランスが取りにくいからだと思います)
重要なのは自分がやりやすい方を選ぶ
「どちらが優れているのか」と比べる必要はありません。自分がやりやすく合っていると感じるスタイルを選ぶのが良いと思います。